同性パートナーに財産を残したい

私は同性愛者です。現在,パートナーと一緒に暮らしています。将来,私が死んだときに,パートナーに財産を残したいと思っています。どうすればよいでしょうか?
遺言書を作成することをお勧めします。遺言書を作る上での注意点を説明します。

遺言書を作る際の注意点

一般的な遺言書の形式には,自筆証書遺言と公正証書遺言の二つがあります。自筆証書遺言とは,全文,日付,氏名を自分の手で書き,自分で押印した遺言書のことです。また,公正証書遺言とは,公証人の前で,遺言の内容を口頭で伝えたうえで,公証人がその内容を文書するという方法で作られた遺言書のことです。

遺留分

もし,あなたに兄弟姉妹以外の相続人(たとえば,配偶者,子,親など)がいる場合には,遺言書を作成する際には,遺留分について考慮しなければなりません。兄弟姉妹以外の相続人には,法律上あなたの遺産について最低限相続する権利があります(これを遺留分と言います)。あなたがパートナーに対し,全財産を遺贈するという遺言を作った場合,遺留分を侵害することになるので,遺留分権利者である兄弟姉妹以外の相続人は,あなたのパートーナーに対し,侵害された遺留分を取り戻すことができます(これを遺留分減殺請求と言います)。
このような遺留分を巡る争いを回避する方法は,いくつかあります。

遺留分を侵害しない遺言書を作る

そもそもすべての財産をパートナーに遺贈するから,遺留分を侵害することになるのですから,遺留分に相当する財産を遺留分権利者に相続させることをあらかじめ遺言に明記しておけば,遺留分の侵害は起こりません。

遺留分減殺請求をしないように求める

別の方法として,遺留分権者に対し,遺留分減殺請求をしないようことを求める定めを遺言に明記しておくというのもあります。ただし,このような定めがあっても法的には何ら効力がありませんので,遺留分減殺を確実に阻止することはできません。もっとも,遺留分減殺を納得してもらえる理由も明記しておくことで,あなたの遺志が尊重されやすくなると思います。

相続開始前における遺留分の放棄

他には,遺留分権利者を説得して,あなたが亡くなる前に,家庭裁判所に対し遺留分放棄の審判の申立てをすることもできます。ただし,必ずしも裁判所の許可がでるとは限りません。

遺言執行者の指定

パートナーにすべての財産を遺す場合には,遺贈になります。この場合,遺言で遺言執行者を指定していないと,相続人が遺言の執行・実現をすることになります。
具体的には,不動産をパートナーの名義に変更するには,相続人とパートナーが一緒に登記申請をします。また,預貯金の払戻し・名義変更も相続人が行うことになります。
遺言執行者を指定しないと,相続人があなたたちの関係に理解を示しているときにはよいのですが,そうでない場合には,遺言の執行がままならないことがありえます。
ですので,パートナーにあなたの財産をスムーズに遺すためには,遺言執行者を指定することをお勧めします。

弁護士費用

遺言書を作成する場合の手数料は,次の表のとおりです。ただし,遺言書の内容,相続人の人数,財産の数・種類などによっては,金額は増減することもあります。

遺言書の作成10,8000円〜216,000円(公正証書遺言の場合は,+32,400円)
遺言の執行最低額324,000円