伏見憲明『欲望問題』

欲望問題―人は差別をなくすためだけに生きるのではない

概要

本書は,「差別問題」を「欲望問題」と捉えることが適切であると至った過程を,著者の経験にもとづいて語る『第1章「差別問題」から「欲望問題」へ』,著者自ら提出した<性別二元制>という図式や,ジェンダーフリー論に対する批判的(再)検討を加えた「第2章 ジェンダーフリーの不可解」,X-MENを題材にある特定の共同性やアイデンティティについて論じた「アイデンティティからの自由 アイデンティティへの自由」の3章構成。
2010年6月11日発行の.book版 Ver.1.1

感想

ジェンダーやセクシュアリティ,差別の問題は,私自身にとって「痛み」を伴うような切実な問題ではないので,著者があとがきで望んでいるように「命がけで読」むことはできなかった。しかし,ジェンダーやセクシュアリティの問題は,やはり興味深く,これからもいろいろと勉強し続けたいと思った。
私は,20代のころから,これらの問題に興味があり,伏見憲明さんの著書をはじめとする内外の専門書などを読んだり,シンポジウムやパレードにも参加したりしていた。もっとも,ここ数年は法律家になるための勉強に専念していたので,その手の勉強はご無沙汰だった。今回久しぶりに,伏見憲明さんの著書を読んで,以前の気持ち―弁護士としてこれらの問題に関わりたい―は失われていないことがわかった。
勇気を出して,著者がママをしている新宿二丁目のバー「エフメゾ」に行くぞ……そのうち。

著者プロフィール

前園 進也
前園 進也弁護士
作家であり新宿二丁目のミックスバーのママ・伏見憲明氏から多大な影響を受け、LGBTに対する法的支援をライフワークとして取り組んでいます。LGBT支援法律家ネットワーク、同性婚人権救済弁護団、「結婚の自由をすべての人に」弁護団等に所属。