平成26年6月14日,新宿武蔵野館で,表題の映画を観てきたので,その感想を書きます。ネタバレも含まれていますので,まだ観ていない方は注意してください。

あらすじ

1979年アメリカ。ゲイでドラァグクイーンのルディは,ひょんなことから,同じアパートに住むダウン症の少年マルコと出会います。マルコの母親が薬物所持で身柄拘束されたため,ルディはマルコの世話を見ることになりました。ルディは,地方検事局に勤務する恋人のポールに力を借りて,マルコの暫定的な監護者になり,ルディ,ポール,マルコの三人は,幸せな生活を送ることになりました。しかし,それも長くは続きませんでした。

感想

映画館に入る前にビールを一杯飲んで観ましたが,途中眠たくなることもなく(ちなみに,「ゼロ・グラビティ(3D)」では眠ってしまいました),最後まで楽しめました。ただ,涙腺のゆるい私は,ボロ泣きしてしまうのを覚悟していたのですが,そこまでではありませんでした。
ルディたちは,暫定的ではなく永久的な監護権を求めましたが,最終的にはその求めは認められませんでした。偏見に基づくものであっても,裁判官にしても国選の代理人にしても,一応彼らなりにマルコの利益を考えていたと思います(ポールの元上司に関しては個人的な感情がありそうでしたが)。彼らの結論を覆すためには,社会の偏見をなくしていくしかない。そして,そのためにはルディたちのように,同性愛者が実際に子供を育て,子供が奪われそうになったときには,たとえその先に正義はなかったとしても,戦っていくしかないのだろうと思いました。
LGBTと子育てに関して,当事者も含めて活発な議論がなされているとはいえない日本において,この映画が上映されるというのは,問題提起として有意義なことだと思います(しかも,ミニシアター系では大ヒット。私が観た日も立ち見が出ていました)。しかし,同性カップルが子供を養子にしたり,里親になったりすることができるアメリカにおいて,今更感はなかったのだろうか。それとも,今でも,同性カップルが親になることに対する根強い反発が残っていて,ルディたちのように哀しみに暮れるカップルがまだまだいるのだろうか。
この映画で一番いただけないと思ったところは,マルコの死という結末です。ルディたちとマルコの別れというだけで十分哀しく,そして,あり得そうな結末なのに,マルコの死という結末をもってくることで一気に嘘っぽく感じてしまい,なんとも興醒めな結末になってしまいました。そして,マルコはルディたちに出会わなければ,不遇であっても命を落とすことにはならなかったのでは,と思ってしまいます。